1.気分が落ち込む
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気分が沈む、何をしても楽しくない、やる気が出ないといった変化は、うつ病でよくみられる症状です。
悲しさよりも、不安や焦りが強く出ることもあります。以前より笑わなくなった、趣味を楽しめなくなったという変化も一つのサインです。
桜ヶ丘こころ診療所聖蹟桜ヶ丘の心療内科・精神科うつ病について
うつ病は「気分が落ち込む病気」と思われがちですが、実際にはそれだけではありません。眠れない、体が重い、頭が働かない、仕事に行けない、人に会いたくないなど、こころ・からだ・脳の働き・行動のさまざまな部分に変化が現れる病気です。
精神科の診察でも、「悲しくて仕方がない」と訴えて受診する方ばかりではありません。「疲れが抜けない」「眠れない」「最近イライラする」「仕事のミスが増えた」といった相談をきっかけに、背景にうつ病が見つかることもあります。
うつ病の治療は、「休養」「薬物療法」「精神療法」が3本柱です。なかでも休養は治療の土台となり、症状によっては仕事を数か月休職して、治療と休養に専念することもあります。
症状の変化に気づく
うつ病では、必ずしも「強い落ち込み」だけが目立つわけではありません。こころやからだの症状、頭の働きの不調、行動の変化として現れることがあります。
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気分が沈む、何をしても楽しくない、やる気が出ないといった変化は、うつ病でよくみられる症状です。
悲しさよりも、不安や焦りが強く出ることもあります。以前より笑わなくなった、趣味を楽しめなくなったという変化も一つのサインです。
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うつ病では、こころより先に体の不調が目立つことがあります。
眠れない、朝起きられない、強い疲れが続く、食欲が落ちる、頭痛や胃の不調が続くなど、「ずっと体調が悪い」という形で現れることがあります。休んでもなかなか回復しないときは注意が必要です。
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文章を読んでも頭に入らない、仕事の優先順位を決められない、簡単な判断にも時間がかかる。うつ病では、こうした「頭が回らない」感覚が出ることがあります。
仕事が進まない、ミスが増えたと感じるときも、うつ病の症状に伴う集中力や判断力の低下が影響している場合があります。
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うつ病が悪化すると、仕事に行こうと思っても行くことができず、会社を休むことが続く場合があります。この時は自力ではカバーできない「限界サイン」の面もあるため、早めの相談が必要になります。
必要なところから、少しずつ
図を拡大する うつ病では、気分の落ち込みや楽しめない感覚だけでなく、睡眠、食欲、意欲、集中力などにも変化が現れます。その結果、それまで普通にできていた仕事や家事、人付き合いが難しくなることがあります。
診断では症状の種類だけでなく、どのくらい続いているか、生活にどの程度影響しているかも確認します。症状の数だけで機械的に診断する病気ではありません。
嫌なことがあれば、気分が落ち込んだり、数日間やる気がなくなったりすることはあります。こうした反応のすべてが、うつ病というわけではありません。
うつ病では、気分だけでなく睡眠や食事、集中力、仕事や家事など、複数の領域に影響が広がることがあります。「以前ならできていたことが、明らかにできなくなった」という変化も、診察では手がかりになります。
うつ状態が進むと、自分自身の変化を客観的に捉えにくくなることがあります。「自分が怠けているだけ」「もっと頑張らないと」と考え、無理を続けてしまうこともあります。
家族や同僚から「最近ずいぶん疲れている」「表情が変わった」「ミスが増えている」と指摘され、それをきっかけに受診につながるケースもあります。
図を拡大する うつ病の症状は、①こころ、②からだ、③脳機能、④行動の4つに分けると整理しやすくなります。すべてが同時に現れるわけではなく、どの症状が強く出るかは人によって異なります。
よく知られているのは、気分の落ち込みや、楽しさを感じにくくなる症状です。「何をしても楽しくない」「以前好きだったことに興味がわかない」という形で現れることもあります。
不安、焦り、イライラ、自分を責める気持ちなどが前面に出ることもあります。診察でも「悲しいですか」と聞くだけでは分からないため、以前と比べてどのような変化があるかを具体的に確認します。
眠れない、朝早く目が覚める、逆に起きられない、食欲が落ちる、体が重いといった身体症状もよくみられます。頭痛、動悸、胃の不快感、めまいなどが目立つ場合もあります。
実際には「気分の落ち込み」ではなく、「とにかく疲れる」「体調がずっと悪い」ことをきっかけに受診する方もいます。身体症状が前面に出ると、うつ病とは結びつきにくく、最初は内科などを受診することもあります。
うつ病では、気分だけでなく考える力にも影響が出ることがあります。文章を読んでも頭に入らない、会議の内容についていけない、簡単な判断に時間がかかる、といった状態です。
患者さんからは「頭が回らない」「仕事が全然進まない」と表現されることもあります。背景には、うつ状態に伴う集中力や判断力の低下が関係していることがあります。
人に会う回数が減る、LINEやメールを返さなくなる、家事がたまる、遅刻や欠勤が増えるなど、行動の変化として現れることもあります。
本人は「面倒になっただけ」と考えていても、振り返ると少しずつ生活範囲が狭くなっていることがあります。症状そのものだけでなく、「以前できていたことがどう変わったか」も診察では重視します。
図を拡大する うつ病は、必ずしも分かりやすい「落ち込み」から始まるわけではありません。初期には、疲れ、不眠、仕事の能率低下など、一見すると忙しさや体調不良に見える変化が先に現れることがあります。
夜は「明日は行けそう」と思っていても、朝になると体が動かなくなることがあります。起き上がれない、支度が進まない、出勤時間が近づくにつれてつらくなる、といった状態です。
これが続くと、周囲からは遅刻や当日欠勤などの形で目立つようになります。本人より先に、家族や職場が変化に気づいて受診につながることもあります。
仕事から帰るとすぐ横になる。休日をほとんど寝て過ごす。それでも疲れが取れない。こうした「休んでも回復しにくい疲労」は、うつ病でみられる症状の一つです。
特に、仕事量はそれほど変わっていないのに、以前より明らかに疲れるようになった場合は、確認したい変化です。
メールの返信ができない、書類を何度読んでも内容が入ってこない、何を優先すればよいか決められない。本人は「能力が落ちた」と感じますが、背景に集中力や思考速度の低下があることもあります。
仕事上のミスが続くと、さらに自信を失い、「自分は役に立たない」と考える悪循環につながることもあります。
うつ病というと「静かに落ち込んでいる姿」がイメージされやすいですが、実際にはイライラや焦りが前面に出る人もいます。家族への当たりが強くなったり、職場で以前なら流せたことに強く反応したりすることがあります。
周囲とのトラブルにつながると生活への影響は大きくなりますが、逆に「最近何かおかしい」と気づき、受診につながるきっかけになる場合もあります。
周囲から見ると、笑顔が減る、表情が乏しくなる、視線が下がる、いつも疲れたように見える、といった変化に気づくことがあります。
もちろん、顔つきだけでうつ病と判断することはできません。 ただ、本人の自覚より先に家族が「以前と表情が違う」と感じることはあり、他の症状と合わせて考える手がかりになります。
うつ病では意欲や楽しさが減り、「何もしたくない」と感じることが少なくありません。最初は仕事の後だけだったものが、休日の外出、趣味、入浴、食事の準備などにも広がっていくことがあります。
「やりたいけれど疲れてできない」だけでなく、そもそも「やろうという気持ちが起こらない」と感じることもあります。外からつらさが見えにくいため、「怠けている」と誤解されることもあります。
図を拡大する うつ病の原因には、まだ分かっていないことも多くあります。脳内の神経伝達物質を含むさまざまな脳機能の変化が関係すると考えられていますが、実際の発症にはストレスや睡眠、生活環境、身体状態など複数の要因が関わります。
仕事上の負担、人間関係、転職、異動、介護、離婚、死別などをきっかけに症状が始まることがあります。本人にとって良い出来事であっても、結婚や昇進など大きな環境変化が負担になる場合があります。
診察では、単に「ストレスがあるか」だけでなく、いつ何が変わり、その後どのように症状が変化したかを必要に応じて確認します。
睡眠不足が続くと、疲労や集中力低下が強まり、気分にも影響します。仕事が忙しく夜遅くまで働いている場合や、交代勤務などが背景にあることもあります。
睡眠は症状の一つであると同時に、経過を見る上でも分かりやすい指標です。そのため、初診でもその後の通院でも確認することが多くあります。
身体の病気や服用している薬が、うつ症状に関係する場合もあります。病歴からうつ病が強く疑われる場合でも、身体的な原因が隠れていないか、必要に応じて問診や血液検査などを行います。
例えば、甲状腺機能の異常、貧血、未診断の糖尿病などが、気分や体調に影響していることがあります。
病歴を振り返っても、ストレスや生活面で明確な原因が見つからない場合もあります。脳機能の変化の影響が強い場合のほか、本人が意識していない疲労やストレスが重なっていることも考えられます。
原因を探し続けることだけに時間を使うより、今どのような症状があり、何が生活を難しくしているのかを整理することが、治療の方向を考える上では役立つことがあります。
図を拡大する 「会社に行けない」「何もしたくない」「疲れて動けない」という症状だけで病名は決まりません。精神科では、現在の症状だけでなく、その前後の経過や過去の状態も確認しながら診断を考えます。
適応障害とうつ病には共通する症状がありますが、適応障害では特定のストレスとの結びつきが比較的明確で、ストレスから離れると症状が改善するなど、環境による変動が目立つことがあります。
実際の診療では、どちらかにはっきり分けにくい「中間」の状態も少なくありません。ストレスが続く中で症状が広がり、うつ病としての特徴が目立ってくる場合もあります。
うつ病では落ち込み、不安障害では不安が目立つため別の病気に見えますが、うつ病の中でも強い不安が前面に出ることがあります。その場合、症状だけでは見分けにくいことがあります。
治療には共通する部分もあるため、病名の境界だけにこだわるのではなく、現在もっとも困っている症状や生活への影響を見ながら治療を進めます。
双極性障害でも、うつ状態の時期だけを見るとうつ病とよく似ています。気分が高揚する明らかな躁状態があれば分かりやすい一方、躁状態が目立ちにくい双極Ⅱ型では鑑別が難しいことがあります。
うつ病と双極性障害では治療に使う薬が異なるため、過去の気分の変動や活動性の変化を確認します。治療を続ける中で、初めて診断が明確になる場合もあります。
ADHDやASDなどの発達特性がある人では、仕事上のミス、対人関係、感覚的な負担、周囲に合わせ続ける疲労などが重なり、二次的にうつ病になることがあります。
まず現在のうつ病を治療し、その後必要に応じてこれまでの生活歴や困りごとを振り返り、背景にある発達特性について詳しく評価していくことがあります。
図を拡大する うつ病の回復は一直線に進むとは限りませんが、大まかな経過として共通する段階があります。ここでは、急性期・回復期・再発予防期の3つに分けて考えます。
急性期は、落ち込みや不安、不眠などの症状が強い時期です。特に治療につながる前は、悪化が続いてつらさが強まっていることもあります。
この時期は、何よりも休養を優先します。できるだけ早く治療を始め、必要であれば休職して休養に専念します。不安や不眠が強く休みにくい場合には、補助的に薬を使うこともあります。
治療と休養が進むと、精神的には少しずつ落ち着いてきます。ただし、症状が軽くなっても意欲や体力はまだ戻らず、活動量がなかなか増えないことがあります。
この時期は、体調を見ながら少しずつ活動を戻していきます。回復には時間がかかることもあり、焦って活動を増やしすぎるとかえって調子を崩す場合があります。
活動量が十分戻ってくると、復職などの社会復帰を考える時期に入ります。仕事を再開すると新たなストレスも増えるため、再発を防ぐための対策も必要です。
薬物療法を続けながら状態を安定させ、その後の経過を見ながら慎重に減薬していきます。最終的には、薬がなくても安定した状態を維持することを目指します。
図を拡大する 軽い抑うつ症状であれば自然に改善することもありますが、症状が続いている場合には、時間とともに仕事や生活への影響が大きくなることがあります。
治療開始が遅れると、症状が強くなった状態から治療を始めることになり、回復までに時間がかかる場合があります。病状の長期化を避ける意味でも、悪化が続いているときには早めに状態を確認することが望まれます。
図を拡大する 症状がかなり悪くなってから受診すると、治療に時間がかかることもあります。当院では特に、①会社や学校に行けない、②悪化が続いている、③トラブルが目立ってきたという3つの変化を、受診を考える目安として重視しています。
朝になると動けない、欠勤が増えた、駅まで行ったものの引き返した。こうした状態が続く場合は、気力だけでは補いにくい「限界のサイン」が出ている可能性があります。
治療だけでなく、その後も仕事を続けていくために、トラブルが大きくなる前に状態を確認し、治療や休職を含めた今後の方向を考えていきます。
休養を取るなど自分なりの対策をしても改善せず、むしろ悪化が続いている場合には、早めに受診して状態を確認した方がよいことがあります。
特に眠れない状態が続くと、心身ともに消耗しやすくなります。不眠が強くなっている場合は、そのまま我慢せず対策を検討します。
うつ病の症状が強くなると、仕事上の重大なミスが増える、家族や同僚との衝突を繰り返すなど、社会生活上の問題として表面化することがあります。
こうしたトラブルは時間がたつほど影響が大きくなる場合があります。以前とは違う変化が続いているときは、その背景にこころの不調がないか確認します。
図を拡大する うつ病の治療では、休養・薬物療法・精神療法を3つの柱として、その人の状態に合わせて組み合わせます。
同じうつ病でも、症状の強さや生活への影響は人によって異なります。どの治療をどの程度取り入れるかは、病状を見ながら調整していきます。
うつ病治療の土台になるのが休養です。単に体を横にするだけでなく、仕事や心配事から距離を取り、「頭を休ませる」ことも含まれます。
特に症状が強い急性期では、必要に応じて休職して休養できる環境を作ります。不眠や不安が強く、休もうとしても休めない場合には、薬を補助的に使うこともあります。
うつ病の薬物療法では、抗うつ薬を中心に使用します。代表的なものの一つがSSRIで、脳内のセロトニン系に作用し、症状の改善を図ります。
抗うつ薬は、飲み始めてすぐに十分な効果が出るとは限りません。初期には吐き気やめまいなどが出る場合もあります。不眠や強い不安があるときには、睡眠薬や抗不安薬などを補助的に使うことがあります。
精神療法では、ストレスや生活状況を振り返り、病状に影響している要因とその対策を整理していきます。症状を改善するだけでなく、回復後の再発予防にもつなげます。
認知行動療法も代表的な精神療法の一つです。気分を悪化させやすい考え方や行動のパターンを整理し、少しずつ別の対応を試していきます。
図を拡大する 休養は一見すると簡単に思えますが、実際には難しい治療の一つです。特に症状が強い時期ほど、不安や罪悪感などから「休もうとしても休めない」状態になることがあります。
そのため急性期の治療では、どうすれば実際に休養を確保できるかをさまざまな角度から考えます。
うつ病では、ストレスや疲労が重なることで症状が悪化しやすくなります。そこから距離を取り、心身にかかる負荷を減らすことが、回復の土台になります。
症状の強い急性期では特に休養を優先します。回復した後も、再発を防ぐためには、日々の生活の中で無理を重ねすぎず、休養を確保していくことが必要です。
「休養が必要なのは分かっているけれど、なかなか休めない」という相談は、実際の診療でも少なくありません。
特に急性期には、強い不安から落ち着かず休めなかったり、うつ病の症状としての罪悪感から「休んではいけない」と感じたりすることがあります。
休養できない状態が続けば、ストレスや疲労がさらに積み重なり、病状の改善を妨げることがあります。
休職して仕事から離れていても、強い不安や考え事によって休めない状態が続くことがあります。その場合は、休職しただけで安心せず、実際に休養できる状態を作るための対策を考えます。
不眠や強い不安が休養を妨げている場合には、睡眠薬や抗不安薬などを補助的に使用することがあります。抗うつ薬の効果が十分に出るまでの時期に、まず睡眠を確保する目的で使うこともあります。
それでも休めず、症状の悪化が続く場合や安全面への配慮が必要な場合には、休養を目的とした入院を検討することがあります。それほど、うつ病の治療では「実際に休める環境を作ること」が大きな意味を持ちます。
図を拡大する うつ病になったからといって、必ず休職するわけではありません。症状が比較的軽く、勤務内容を調整しながら十分な休養を確保できる場合には、仕事を続けながら治療することもあります。
ただし、仕事を続けることで悪化が続く場合や、勤務そのものが難しくなっている場合には、休職を検討します。
勤務時間や業務量を調整でき、仕事の後に十分な休養が取れている場合には、働きながら治療を続けられることがあります。
そのまま改善につながる場合もありますが、仕事を続ける中で症状が悪化することもあります。その場合には、無理に継続せず休職へ切り替えることを検討します。
出勤そのものが難しい、仕事をすると急激に悪化する、重大なミスが続く、帰宅後は何もできない。こうした状態では、一度仕事から離れて治療と休養を優先する必要が出てきます。
自分から休職を希望する場合もあれば、「まだ働ける」と思っていても家族や職場から休職を勧められる場合もあります。周囲から見た変化が大きいときには、自分が感じている以上に病状が進んでいることがあります。
図を拡大する 休職中はまず休むことが中心ですが、回復してくればリハビリや職場との調整が必要になります。休職の時期によって、取り組むことは変わります。
例えば休職期間を3か月とした場合、前期=休養期、中期=リハビリ期、後期=復帰準備期と考えると経過を整理しやすくなります。実際の期間は病状や仕事の状況によって異なります。
休職直後は、復職のことを先回りして考えるよりも、まず休養に専念します。
それまでの疲れが一気に出て、動きにくくなったり、睡眠時間が長くなったりすることもあります。反対に、考えすぎや不安によって休めない場合には、その状態への対策が必要です。
体調が改善してきたら、少しずつ日中の活動を戻します。仕事とは直接関係のない散歩や買い物などから始め、体調を見ながら活動量を増やしていきます。
この時期には「動かなければと思うけれど、なかなかやる気が出ない」と感じることがあります。長く続く場合には、やる気が出るのを待つだけではなく、無理のない範囲でまず少し動いてみることが有効な場合もあります。
活動量が戻ってきたら、より仕事に近いリハビリへ進みます。通勤練習をする、図書館などで一定時間作業をする、といった方法があります。無理のない範囲で、休職前の働き方についても振り返ります。
並行して職場と復職について具体的に相談します。勤務時間、業務内容、異動の可能性などを調整し、復職につなげます。現在の職場への復帰が難しい場合には、転職を含めて今後の働き方を考えることもあります。
図を拡大する 本人が「うつ病かもしれない」と気づいていなくても、家族には変化が見えていることがあります。特に睡眠、食事、表情、会話、出勤状況など、以前との違いを具体的に見ることが役立ちます。
「考えすぎだよ」と説得するより、「最近あまり眠れていないように見える」「前より朝がかなりつらそう」と、実際に見えている変化を伝える方が本人も受け止めやすいことがあります。
治療中は、ご家族が「聞き手」に回ることも大切です。無理に何かをさせるのではなく、本人が話したいときに話せる状態を作り、安心して療養できる環境を整えていきます。
図を拡大する 精神科の初診では、「うつ病の症状がいくつあるか」だけを確認しているわけではありません。現在の症状、これまでの経過、生活への影響、過去の気分の波などを合わせて見ていきます。
最初から上手に説明する必要はありません。「朝起きられない」「会社に行けない」「眠れない」など、今もっとも困っていることから話してもらいます。
そこから、いつ始まったのか、何かきっかけがあったのか、その後症状がどう変化してきたのかを整理します。
何時ごろ眠り、何時に起きているのか。途中で目が覚めるか、食事は取れているかなどを確認します。
本人は「それほど落ち込んでいない」と感じていても、睡眠や食事が大きく崩れていることがあります。
欠勤、遅刻、仕事上のミス、家事、育児、人付き合いなどについて確認します。
症状そのものの強さだけでなく、その症状によって生活がどのくらい変わったかも、治療方針を考える大きな材料になります。
過去に似た時期がなかったかに加えて、逆に「妙に元気だった」「睡眠が少なくても活動できた」「浪費や行動量が増えた」といった時期がなかったかも確認します。
これは、うつ病と双極性障害を考える上で欠かせない情報の一つです。
身体の病気、現在服用している薬、飲酒などについても必要に応じて確認します。状態によっては血液検査などを検討します。
甲状腺機能の異常など身体的な原因が隠れていないか、多量飲酒など生活上の要因が病状に影響していないかも確認します。
図を拡大する 当院では、「うつ病かどうか」という病名だけを見るのではなく、その方が今どこで困り、何が生活を難しくしているのかを整理するところから診療を始めます。
疲れ、不眠、イライラ、会社に行けないといった、うつ病を疑う症状があっても、実際には別の原因が隠れていることがあります。
適応障害、不安障害、双極性障害、発達特性に伴う二次的な不調、身体的な原因などの可能性も含めて状態を確認します。
同じうつ病でも、仕事を続けられている人と、朝まったく起きられず欠勤が続いている人では、必要な対応が異なります。
診断名だけでなく、睡眠、食事、仕事、家庭生活などが現在どの程度保たれているのかを見ながら、治療方針を考えます。
うつ病の治療では抗うつ薬が役立つことがありますが、それだけで治療が完結するわけではありません。
休職が必要なのか、休める環境があるのか、休養を妨げている症状や状況はないか、生活リズムをどう整えるかなど、一人ひとりの状況に合わせて考えます。
働いている方にとっては、病気そのものと同じくらい、「明日会社へ行くべきか」「休職した方がよいのか」「いつ戻ればよいのか」が大きな問題になります。
症状の程度だけでなく、仕事内容、職場環境、通勤負担なども含めて整理し、必要に応じて休職や復職について相談します。
症状が強い時期と、回復して活動を増やしていく時期では、必要な治療は同じではありません。
初めは休むことが中心だった方でも、回復してくれば生活を整え、活動量を増やし、仕事への復帰を考える段階へ進みます。今どの段階にいるのかを確認しながら、その時期に合った治療を一緒に考えていきます。
桜ヶ丘こころ診療所は、聖蹟桜ヶ丘駅近くの心療内科・精神科です。
当院では、うつ病の症状だけでなく、仕事や家庭生活への影響も確認しながら、休養、環境調整、薬物療法などを組み合わせて治療方針を考えます。